お茶は99%以上が水です。どんなに高品質な茶葉を使っても、使う水が適切でなければ、お茶本来の美味しさが損なわれてしまいます。
今回は、お茶をより美味しく楽しむための「理想的な水選び」のポイントについてご紹介します。
煎茶に適した水は「軟水」
硬水と軟水の違いは、水に含まれるミネラル成分、特にカルシウムとマグネシウムの量によって決まります。これらのミネラルの含有量が多いと「硬水」、少ないと「軟水」と呼ばれます。お茶を淹れる際、この違いは香り、色、味に影響を与えます。
硬水の特徴
硬水はカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを多く含むため、少し重い口当たりが特徴です。海外ではヨーロッパや中東の多くの地域で硬水が一般的です。硬水でお茶を淹れると、硬水のミネラル分が茶葉に影響を与え、濁ったり、新鮮な香りが損なわれたり、雑味が強調されたりすることがあります。
硬水の例:エビアン、コントレックス、SOLAN DE CABRASなど
軟水の特徴
一方で軟水は、ミネラルが少なく、より柔らかい口当たりが特徴です。日本の水は、ほとんどが軟水で、繊細な風味を引き出すのに適しています。茶葉本来の香りや味が引き立ち、透明感のある美しい色合いのお茶に仕上がります。美味しいお茶を淹れるためには軟水を選びましょう。
軟水の例:い・ろ・は・す、おいしい水、天然水、クリスタルカイザー、ボルヴィックなど
日本ではわかりやすく硬度100未満を軟水、100以上を硬水と呼びますが、お茶を淹れるのに適した硬度は30〜80mg/Lで、上限は120mg/Lとされています。
日本の水道水はほとんどが軟水ですので、水道水を使用する場合は硬度を気にする必要はありませんが、ミネラルウォーターを購入する場合は硬度を確認するようにしましょう。
水道水を使用するときの注意点
日本の水道水には塩素が含まれており、カルキ臭の原因となることから美味しさを損なう要因となります。そのため、お茶を淹れる水は5分程度沸騰させて塩素を抜きましょう。
お茶を美味しく淹れるための水についてご紹介しました。せっかく購入したお茶を楽しむために、水の違いにもぜひ注目してみてください。