日本茶インストラクター試験の一次試験に合格した筆者が行った学習方法や試験対策についてご紹介します。日本茶インストラクター試験が気になっている方、合格に向けて勉強している方の参考になれば幸いです。
受験背景
私はもともと茶産地の出身でもなければ、茶業界に携わっていたわけでもありません。日常的にお茶を楽しむ習慣もなく、たまにペットボトルのお茶を購入する程度で、家には急須さえありませんでした。
そんな私が日本茶の魅力に惹かれるきっかけとなったのは、茶道との出会いです。この体験を通じて日本茶の奥深さに魅了され、「お茶に関わる仕事がしたい」という思いが芽生えました。そしてその想いを形にするために、日本茶インストラクターの資格取得に挑戦しました。
試験対策について
試験対策は日本茶インストラクター通信講座一択です。
申し込むと以下内容が届きます。
・バインダー
・テキスト(10冊・茶の歴史/茶業のあらまし/伝え方の基本/茶の栽培/茶の製造法/茶の健康科学/茶の化学/茶の利用/茶の淹れ方/茶の品質審査と鑑定)
・リポート(3通)
・練習問題
・DVD
・補助教材(「茶関係資料」(公社)日本茶業中央会編・「茶の科学用語辞典」日本茶業学会編)
・茶鑑定器具セット(審査盆、審査茶碗、網匙)
このテキストですが、9割が文字で、専門用語がたくさん出てきますTT
特に茶の栽培・茶の製造法はお茶の知識がない私には難しい箇所が多く、インターネットで検索してもなかなか情報がなかったので苦戦しました。
参考になったYouTube動画を後述しますのでお役立ていただけたら嬉しいです。
過去問について
過去問は存在しないため、リポートと練習問題で対策するしかありません。
試験は練習問題よりも難しいので、テキストを隅から隅までしっかり暗記することが重要です。
実践した学習方法
①テキストを見ながらリポートを解く
本来であればテキストをしっかりと学習してからリポートに取り組むのが理想的かもしれません。
しかし、それでは学習効率が悪いと感じたため、全体をざっと読み流した後、テキストを見ながらリポートに取り掛かりました。
リポートは選択問題形式で、1つの問題に対して5つの選択肢が提示されます。
それぞれの選択肢が正しいかどうかをテキストで確認しながら進め、該当箇所には蛍光ペンで線を引いて印をつけておきます。このように進めることで、リポートで出題された範囲が蛍光ペンでマーキングされた状態となり、後の学習にも役立つ工夫ができました。
また、テキストを見ながらリポートを解くメリットはもう一つあります。
それはリポートを早く提出できることです。
リポートを提出すると約2週間で添削が返却されます。その際、単なる◯×のチェックだけではなく、添削者の方が補足事項をびっしりと書き込んでくださいました。
テキストだけでは理解が難しい部分も、その補足を参考にすることでスムーズに理解を深めることができました。この丁寧な添削は学習を進める上で非常に大きな助けとなりました。
ちなみに受講期間(4ヵ月)以内にすべてのリポート(3通)を提出することで講座を優秀修了できますので、やはり早めに提出するのがおすすめです。
②リポートの内容を中心に学習を進める
リポートの出題範囲(テキストでマーカーを引いた箇所)を中心に全体的に学習を進めました。分野ごとの学習ポイントは後述します。
③練習問題を解く(9月末)
9月末に練習問題が届き、早速挑戦してみました。結果はなんと54点/100点!
試験の合格基準は総合70点かつ各科目正答率50%以上ですが、まだまだ焦ることはありません。
リポートのときと同じように、分からなかった箇所をテキストで確認しながら該当部分に蛍光ペンでマーキングを施し、暗記を進めました。
この時点で、テキストはレポートと練習問題で覚えた箇所がしっかりマーキングされた状態になっています。その結果、蛍光ペンでマークされていない部分が、まだ暗記が不十分な箇所として浮かび上がります。その未マーキング部分を重点的に覚えるように取り組むことで、効率的に学習を進めることができました。
【備考】やっておけば良かったこと
お茶の資料館に行っておけば良かったと感じています。
先述の通りテキストの内容は9割が文字で構成されており、写真やイラストはごく一部しかないため理解しにくい箇所が多々ありました。
資料館に行き展示を見ていれば、テキストの内容がよりスムーズに頭に入り理解が深まったのではないかと思います。近くに資料館がある場合はぜひ訪れてみることをおすすめします。
参考(都内近郊の資料館)
各科目ごとの学習ポイント&参考動画
各科目ごとの学習のポイントと、参考にしたYouTube動画をご紹介します。
※動画の内容はテキストと異なる場合があります。あくまで概要やイメージを掴むものとして参考にしてください。
茶の歴史
日本史の流れ
私は高校時代は世界史を選択していたため、日本史をあまり勉強する機会がありませんでした。よって、そもそも時代の流れをあまり理解していませんでした。同じような方はまずは日本史の流れを頭に入れておくと良いと思います。
中田敦彦さんの動画は面白いので気分転換にもぴったりです!
茶の歴史
TEA FACTORY GENの茶農家チャンネルさんが、日本茶インストラクター試験対策として日本茶の歴史を紹介している動画を活用しました。最新のテキスト内容と一部異なる点もありましたが、ラジオ感覚で繰り返し何度も聞くことで、自然と歴史の流れが頭に入ってきました。外出先でもイヤホンで聞くことで、より効率的に学習を進めることができました。
静岡県出身の日本茶インストラクターひろたかさんの動画も参考にしました。解説が詳しくて時代背景の理解にも助かりました。
歴史系のYouTube動画も参考になりました!
茶業のあらまし
茶の産地と銘柄
実際に飲んでみるのが一番勉強になります。全部購入するのは大変なので、日本茶カフェや、お茶のイベントに行かれることをおすすめします。
統計資料
生産量、消費量、栽培面積等の項目ごとに、ピーク・推移・現在値をまとめておくと覚えやすいです。
伝え方の基本
内容は容易ですが、試験で点を落とせないので細かいところをしっかり覚えておくようにしましょう(講演会では何件程度の質問を受ける時間を設けておくのが望ましいのか、板書の文字は何cm角で書くのがいいのか、レッスンプランの違いは何か、話す速度はどれくらいがいいのか等)
茶の栽培
専門用語が多いので漢字の読み方や用語の意味を調べるのが大変でした。最初にDVDを見てからテキストを開いた方がスムーズだと思います。
静岡県教育委員会の動画も分かりやすくておすすめです。
なお明渠溝と暗渠溝はこちらの動画で理解できました。
茶の製造法
実際に動いているところが分からないとイメージしにくいので、栽培と同じくDVDや動画で学ぶと分かりやすいです。
地域に伝わるお茶はテレビ局が取材されているものが分かりやすいです。
茶の健康科学
カタカナが多く、個人的には覚えづらい分野でした。カテキンが効果を促進するもの・抑制するものに分けて一覧表を作ると覚えやすいです。体のどこに作用するのか(例えば血管、肝臓、腎臓など)細かいところまでしっかり覚えましょう。
茶の化学
中高で学んだ化学の知識がないと全て理解するのは難しいです。覚えていない方は丸暗記で乗り切りましょう。
酸化と還元、ラジカルについては南雲先生の動画が分かりやすかったです。
茶の利用
一見容易な科目ですが、ここも点を落とせないので、どの料理がどの本に記載されているかしっかり覚えましょう。
茶の淹れ方
水に含まれる成分や水道法の部分は数値をきっちり覚えましょう。
お茶ごとの適正な温度・秒数も暗記します。
茶の品質審査と鑑定
DVDと茶鑑定セットを用いて実際にやってみることをおすすめします。
茶鑑定セットは二次試験対策用にとっておくか考えましたが、一次試験に通らないと無駄になると思い私は使ってしまいました。
以上、私が実践した学習方法をご紹介しました。一次試験については次の記事で解説します。
最後までお読みいただきありがとうございました!