【今更聞けない】番茶とは?地方に伝わる珍しい番茶もご紹介

日常的なお茶として親しまれる「番茶」。しかし、具体的にどんなお茶かよく分からないという方も多いのではないでしょうか?本記事では日本茶のプロが、今更聞けない番茶についてわかりやすくご紹介します。

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番茶とは?

番茶は伝統的なお茶の一種で、伸びすぎた一番茶(その年の最初に生育した新芽を摘み採ってつくったお茶、新茶)の新芽や、夏や秋に収穫される茶葉を使用して作られます。

緑茶の製造時に余った葉で作る、いわゆる「下級茶」です。ほうじ茶の原料としてもよく使われます。

緑茶に比べて収穫時期が遅いため成熟した大きな葉や茎が使われることが特徴で、うま味が少なく、あっさりした風味が楽しめるお茶として親しまれています。

地方に伝わる番茶

日本各地で作られる地方独自の番茶をご紹介します。

碁石茶(高知県)

碁石茶は収穫した茶葉を蒸し、室内の隅に積んでカビをつけ、桶に詰めて発酵させ、4〜5cm角に切った茶葉を碁石のように並べて天日干しすることで作られます。ワインのような爽やかな酸味があります。

阿波番茶(徳島県)

夏に茶葉を摘み釜で煮て揉み、桶に漬け込こんだあと天日乾燥させて作ります。トマトのような酸味のある味わいです。

碁石茶、阿波番茶は微生物の働きによって発酵させるので「後発酵茶(こうはっこうちゃ)」とも呼ばれます。

寒茶(愛知県豊田市の足助など)

寒い時期につくられる珍しいお茶です。葉がついたままの枝を蒸し、そのまま自然乾燥させて作ります。

美作(みまさか)番茶(岡山県)

煮出した茶葉をむしろの上に広げて、天日乾燥させながらお茶の煮汁をかけて作ります。表面に艶があり、ほうじ茶をまろやかにしたような軽やかな味わいです。

番茶は、長い歴史を持つ日本の暮らしに深く根付いたお茶です。その素朴でやさしい味わいは、どこか懐かしさを感じさせ、日常のひとときに寄り添ってくれます。地域ごとに異なる番茶の風味を楽しむことで、日本各地の文化や風土を感じることもできるでしょう。

手軽に楽しめて体にもやさしい番茶、ぜひあなたの日常にも取り入れてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

茶道をきっかけに日本文化に魅了されたWebデザイナー。
シンプル、キレイめなお着物で普段着物を楽しんでいます。

・裏千家茶道
・日本茶スペシャリスト
・日本茶アドバイザー(2025年4月認定予定)

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