美味しいお茶が飲みたいなら知っておきたい「地域ブランド」のお話

日本各地には、風土や歴史に育まれた地域独自のお茶がたくさんあります。それぞれの土地で大切に育てられた茶葉には、その地ならではの味わいや香りが詰まっており、飲むたびにその地域の魅力を感じることができます。今日は、そんな地域ブランドのお茶を楽しみながら、日本各地の文化や自然を感じてみませんか?

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地域ブランドとは

地域ブランドとは、特定の地域で生産される商品やサービス、文化、観光資源などがその地域独自の特徴や価値を持ち、他の地域との差別化を図ることで高い評価や信頼を得るための取り組みです。地域の名前そのものが「ブランド」として認識され、その地域産のものが品質の高いもの、独自性のあるものとして消費者に選ばれるようになります。

たとえば、静岡県の「静岡茶」や鹿児島県の「知覧茶」などのお茶は、その地域の気候や伝統的な製法によって生産されることで、地域ブランドとして確立されています。地域ブランドの強化は、その地域の経済活性化や観光促進にもつながるため、各地で積極的に推進されています。

認証制度のお墨付き!歴史あるブランド茶のご紹介

特許庁が認証!地域団体商標登録茶

引用:特許庁ウェブサイト

地域ブランド保護による地域経済活性化を目的にした「地域団体商標制度」に登録されているお茶には、以下のようなものがあります。

静岡茶(静岡県)

静岡県産の茶葉で、品質と生産量ともに日本国内でトップクラスです。

宇治茶(京都府)

日本の代表的なお茶の一つで、特に京都の宇治地域で生産されています。

八女茶(福岡県)

福岡県八女市周辺で栽培される高級茶で、特に玉露が有名です​。

嬉野茶(佐賀県・長崎県)

嬉野(うれしの)は日本茶栽培発祥の地で、釜炒り茶や蒸し製玉緑茶が特徴です​。

知覧茶(鹿児島県)

鹿児島県の知覧(ちらん)地域で栽培されるお茶で、まろやかな味わいが特徴です​。

国際的に認知!地理的表示(GI)保護制度の登録茶

引用:農林水産省ウェブサイト

EUなど世界100カ国以上で導入されている「地理的表示保護制度」の登録茶は、国際的にも広く認知されています。

八女伝統本玉露(福岡県)

福岡県八女地方で生産される高級玉露で、何世代にもわたって継承された伝統的な手法で生産されます。手摘みの茶葉を使い丁寧に加工されるため、品質が非常に高く、まろやかで深い旨味が特徴です。

菊川深蒸し茶(静岡県)

静岡県の中でも有数の茶産地として知られる菊川の深蒸し茶です。濃厚な味わいと美しい見た目が楽しめる、静岡を代表するお茶です。

本場の本物!地域食品ブランド表示基準制度

引用:本場の本物ウェブサイト

地域特有の厳選原料と伝統製法で作られる地域食品です。足柄茶(神奈川県)、大豊の碁石茶(高知県)、伊勢本かぶせ茶(三重県)などが認定されています。

3つのイイ!ふるさと認証食品制度

引用:食べてみて。東京のイイシナ。東京都地域特産品認証食品

一定の基準を満たした地域特産品に、都道府県が認証マークを付与して差別化を計る制度です。認証マークである「3Eマーク」は、3つの赤い「E」が食品の「品」の形に配置され、「イイシナ」をあらわしています。

  • Excellent quality(優れた品質)
  • Exact expression(正確な表示)
  • harmony with Ecology(地域の環境と調和)

例えば石川県では地域の伝統的な技法や素材を使って製造される棒茶が認証されています。棒茶は、石川県のふるさと認証食品制度に基づき、厳格な基準で管理されています。

まとめ

地域ブランドのお茶は、ただの飲み物ではなく、その土地の風土や文化が育んだ特別な一杯です。それぞれの地域が誇るお茶には、長い歴史と伝統が息づいており、飲むたびにその地の魅力を感じることができます。ぜひ、次のお茶選びの際には、地域ブランドのお茶を手に取ってみてくださいね。

参考リンク

茶ガイド

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この記事を書いた人

茶道をきっかけに日本文化に魅了されたWebデザイナー。
シンプル、キレイめなお着物で普段着物を楽しんでいます。

・裏千家茶道
・日本茶スペシャリスト
・日本茶アドバイザー(2025年4月認定予定)

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